幅広い年代が知っているジブリ作品「天空の城ラピュタ」にはロボット兵が登場します。
作品を見た人の中には「ロボット兵が怖い」「トラウマになった」という反応があります。
ロボット兵が怖いと感じるには理由がありそうです!
この記事では天空の城ラピュタのロボット兵がトラウマ・ホラーになる理由を考察しました。
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天空の城ラピュタのロボット兵が怖くてトラウマ!
天空の城ラピュタを見たことがある人の中には、「子供の頃に見たロボット兵が怖かった」という意見が多くありました。
多くの人がロボット兵を怖いと感じるのには理由がありました。
ロボット兵が怖いと感じる理由を5つ紹介していきます。
理由①這いずり回る登場シーンが怖い

暗室に横たわっているロボット兵を見てドキッとした人もいるでしょう。
手足がちぎれて動かなかったロボット兵は呪文で突然這いつくばって動き出します。
足で立って移動するのではなく長い手足で這いずり回る姿が怖い印象を与えているようです。
自分の元に向かってくることを想像して怖いと感じている場合もありそうですね。
理由②飛んでくるシーンが怖い
ロボット兵は羽のようなものを広げてロケット噴射してきています。
ロボット兵には燃料庫のようなものは見えないので燃料を積んでいない状態で飛んでいると考えられます。
ロボット兵の羽もどこから現れたのか分かりません。
ピンク色の膜のようなものは羽という雰囲気がないですよね。
飛び方もどこに来るのか予測できません。
ロボット兵が奇妙な羽で予測不能に空を飛ぶ姿も怖いイメージを与えているようです。
理由③目が空洞で表情がなく怖い
ロボット兵の目は左右で大きさが異なり非常にアンバランスです。
目が空洞になっていて、瞳が動くこともまばたきすることもなくので一層不気味に感じられます。
顔の中心にある2つの穴が光ることで意思疎通が取れるようですが、表情が全くわかりません。
表情が読み取れないことも怖さにつながっています。
理由④ビームが怖い

ロボット兵の目から出されるビームはあっという間に周りを火の海にしています。
頭部から出されたビームは建物を貫通しながら遠くにある建物を破壊することができるようです。
周りを壊しても次々と進んでいく様子はまさに戦闘用といったロボットです。
一瞬のうちに全てを壊してしまうビームの威力が怖さを生んでいます。
理由⑤現実世界にいそうで怖い
世界には対空レーザーシステムの開発に成功したり、人工知能を搭載したロボットや無人機を所有している国もあります。
天空の城ラピュタのロボット兵に近い存在が世界には実在し、近い将来ロボット兵が生まれる可能性も高いです。
レーザーや人工知能といった能力は天空の城ラピュタのロボット兵が持っているため、現実世界で実在するのではないかと不安や恐怖を感じている人もいるようです。
天空の城ラピュタのロボット兵がトラウマ・ホラーになる理由を考察

天空の城ラピュタに登場するロボット兵が怖いと感じる理由を5つ紹介しました。
たった5つの理由だけでトラウマになるとは考えにくいですよね。
天空の城ラピュタには怖いだけでなく見る人を惹きつける深い理由がありました。
考察①天空の城ラピュタは名映画なので何度も見る
天空の城ラピュタを何度も見てしまうのは、天空の城ラピュタの世界観に秘密があるんです。
天空の城ラピュタはジョナサン・スウィフトが書いた「ガリバー旅行記」が元ネタとされています。
さらに「ガリバー旅行記」にも元ネタがあったとされていて、それがマゴニアなんです。
マゴニアとは9世紀にフランスで信じられていた空中王国のことです。
雲の上に土地があって人々は帆船で地上に降りて食料を持ち帰ったという記録がフランス全土にあったようです。
マゴニアには嵐や雷を操る人たちがいたという言い伝えもあります。
天空の城ラピュタが嵐や雷に守られているという設定はマゴニアからきているようです。
天空の城ラピュタの舞台はイギリスのウェールズ地方が参考になっています。
こちらはウェールズ地方にあるカナーヴォン城です。
城壁の作りが天空の城ラピュタの建物と似ています。

現実の街並みと空想世界がつくりだす世界観に引き込まれる人が多いため、たくさんの人が天空の城ラピュタを何度も繰り返し見てしまうと考えられます。
考察②幼少期は優しいロボット兵と戦闘用ロボット兵が区別できない
天空の城ラピュタには2種類のロボットが登場しています。
・ビームを出したり、ピンク色の膜で空中飛行ができる戦闘用ロボット
・ラピュタの自然や植物を守っている優しいロボット
戦闘用ロボットは腕にトゲのようなものがあったり優しいロボットは肩に鳥を乗せていたりと見てわかる違いがあります。
優しいロボットはお墓に備える花を持ってきてくれるほど思いやりがあります。

しかし2種類のロボットを見比べるシーンがないので、子供が見たらどちらも怖いロボットに見えてしまって区別はつきにくいでしょうね。
考察③人間はネガティブな要素を強く感じる性質=ロボット兵≠優しい
人間は本質的にポジティブな情報よりもネガティブな情報に注意を向けやすく記憶に残りやすいです。
天空の城ラピュタに登場するシータやパズーの明るさとは対照的にロボット兵は不気味な暗さを持っています。
対照的なポジティブな存在がいることで、ロボット兵を見るとトラウマになるほどのネガティブな感情を強く感じるのでしょう。
その結果「天空の城ラピュタのロボット兵は怖い」というイメージができあがったと考えられます。
天空の城ラピュタのテーマは核兵器根絶・平和だから怖くて当たり前!

ジブリ作品にはそれぞれテーマがあり、天空の城ラピュタのテーマは核兵器根絶と平和です。
天空の城ラピュタの公開された1986年にはチェルノブイリ原発事故が発生しています。
核の恐ろしさを改めて実感させられる出来事であり、宮崎駿監督は日本人が戦争や核に対する認識が甘いことに危機を感じたといえるでしょう。
天空の城ラピュタを通して、宮崎駿監督は発展しすぎた科学文明は破滅をもたらすということを伝えたかったのだと推測できます。
天空の城ラピュタは核兵器のようなものを持つ超古代文明はラーマーヤナからインスパイアされた
天空の城ラピュタは核戦争の描写がある「ラーマーヤナ」から影響を受けているとされています。
「ラーマーヤナ」とは古代インドの大長編叙事詩です。
「ラーマーヤナ」には「かつて繁栄していた超古代文明が核戦争によって滅ぼされてしまった」という内容が書かれているんです。
その内容がこちらです。
・終焉の時に煙をともなう炎のような、人・馬・龍などを一瞬にして破壊してしまう、火を吐く毒ヘビ
・強力無比の兵器を駆使した壮絶な殺戮戦
文章からは強力な兵器を使った戦闘が行われたことが伝わってきます。
Twitterでも「ラーマーヤナ」に核戦争の描写があることに触れている方もたくさんいました。
テーマは平和=優しいロボット兵が壊れなかった意味

天空の城ラピュタの後半に登場する優しいロボット兵は壊れていません。
体は苔がついていることからかなり長い年月稼働し続けていることは分かりますね。
「バルス」は滅びの呪文ですが、ラピュタを守るための呪文だと考えられます。
ラピュタに対して害のある存在(ムスカや戦闘用ロボット)は滅ぼされるのです。
優しいロボット兵が壊れなかったのは害のない存在だったからだと推測できます。
優しいロボット兵が壊れなかったことで平和を強調しているという見方もできますね。
まとめ ロボット兵は怖くてトラウマになるほどの存在になるべくしてなった!

天空の城ラピュタが「怖い」「トラウマになった」という方はロボット兵が大きく影響しているようです。
この記事ではロボット兵が怖いと感じる理由を考察しました。
ロボット兵が怖い理由は、ロボット兵が天空の城ラピュタのテーマである核戦争と平和を象徴する存在だからだと考えられます。
2種類のロボット兵は戦闘と平和を表していて、特に戦闘用のロボット兵はかなり不気味で怖さを感じるキャラクターでした。
戦闘用のロボット兵を怖く演出することで戦争の怖さや核兵器の恐ろしさを人々に実感させる狙いがあったといえます。
天空の城ラピュタは核と平和を訴えるために、ロボット兵をトラウマになるほど怖いと感じる存在にしたのでしょう。
次に天空の城ラピュタを見る機会があったらぜひロボット兵に注目してみてくださいね!