北京オリンピック2022年の外交ボイコットが注目されていますが、発端となったのは、2021年の11月に消息が不明となって現在も安否が分からないままの中国女子テニス選手彭帥(ポン・シュアイ/日本読みほう・すい)選手の事件です。
中国は彭帥選手が現在も安全でありセクハラ投稿はデマと繰り返し報道していますが、疑わしい点が複数あり炎上しました。
女性やアスリートの権利が守られていない中で行われる北京五輪開催は、人権問題を認めることになってしまいます。
この記事では、彭帥(ポン・シュアイ/ほうすい)選手の現在に関する2022年最新情報と、行方不明になった告発文後の報道を時系列でまとめました。
中国国営テレビが公表したメールが偽造といわれる原因となった不自然なカーソル位置の画像、国際オリンピック委員会(IOC)が隠蔽して炎上するまでの流れと、プーさんとパンダにこめられたメッセージを紹介します。
2022年彭帥選手の現在は?葬られようとしている!?
中国の女子テニス選手、彭帥選手は、現在も安否が不明です。
米国ニューヨークに本部を置き、中国の真相を掴む独自の情報網により、他のマスコミでは報道されない中国の真実の姿を報道している新唐人テレビ(NTDニュース)は、2022年1月6日、 彭帥選手を中国共産党が葬り去ろうとしているというニュースを報道しています。
アイビーリーグのイェール大学が発行する学生新聞「イエールデイリーニュース」は、通常は匿名でのコラムは掲載しませんが、例外を適用してコラムを掲載しています。
コラムを書いたのは中国に家族がいるイエール大学の中国人学生のため、名前を掲載すると中国共産党から危害を加えられる可能性があるとコメントしています。
コラムで学生は、中国共産党は 彭帥選手 を葬ることを計画していて、 彭帥選手を国際社会が忘れ去ってはいけないとコメントしています。
イエールデイリーニュース編集長ローズホロヴィッチ氏は、「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」に対してこの決定は軽々しく行われたものではないと話しています。
ホロヴィッチ氏は北京当局が高度なソフトウェアを使って海外の批評家を追跡し、口封じを行ってきたという十分な検証に基づいたものとコメントしています。
海外に留学中の中国人学生が重要なターゲットの一つだそうです。
恐ろしいですね。
彭帥選手から誰も連絡をもらっていない!
2022年1月5日、フランス「レキップ」は、 彭帥選手と連絡がついていないと報道しました。
テニス選手は#ペン・シュアイはどこにいるというハッシュタグを広めています。
テニスの4大大会・全豪オープンでアリーゼコルネ(フランス)選手は
私は彼女を個人的に知っている選手を知っていますが、誰も彼女から連絡をもらっていない。彼女が本当に私たちを安心させたいのなら、そうしているはず
とコメントしました。
彭帥選手は1月9日に誕生日を迎えましたがtwitterでは、まだまだ 彭帥選手 の安否を心配する声が多数ありました。
今日は彭帥生誕36周年です。メディアが彼女の話を黙らせたからといって、それは私たちが彼女の勇気と勇気を忘れたという意味ではありません。お誕生日おめでとうございます。いつかあなたの自由が戻ってくることを心から願っています。
彭帥選手が全て否定するもやらせ疑惑は晴れず?
彭さんは、張高麗前副首相(75)から性的関係を強要されたとウェイボーで告発してから3週間姿を消していました。
その間に中国メディアが 彭帥選手 の無事を示す証拠を次々投稿していましたが、疑惑は広まるばかりでした。
しかし、21年12月19日上海で開催されたクロスカントリースキーの国際レースに出席した彭帥選手 は、シンガポール紙・聯合早報の取材に対応し、初めてカメラに向かって事件を否定しています。
誰かが私に性的暴行を加えたと言ったり書いたりしたことはない。それから、あのウェイボーに書いたことだが、あれは私個人のプライバシー問題で。あれは既に・・・きっとこれは、皆さんが多くの誤解をしている
つまり、 彭帥選手は 張高麗前副首相を愛していたということで同意の上だったというのです。
現在は北京の自宅で生活しており、全く監視されていないと話しています。
女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン最高経営責任者に送った手紙は自筆だったが、中国語の手紙を英語に翻訳するには自分の英語のレベルが足りなかったため、中国の国営テレビ「中国環球電視台(CGTN)」で英語版を発表したといいます。
しかし、 彭帥選手が取材に応じた詳しい経緯は不明のため、中国当局が 彭帥選手 の「無事」を演出し、来年2月の北京冬季五輪への影響を抑えようとしたのではという見方が強いようで、国際社会はまだまだ追及していく姿勢です。
日本経済新聞社の編集委員である石塚由紀夫氏は、「事があった後も、加害者の影響力の下に置かれたままだと、被害者は本音を明かせない。『なかった』と言うなら、以前の書き込みは何を意味し、なぜ世界に発信したのか、明確な説明がないと疑惑は晴れない。これにて幕引とはなりそうにない」とコメントしています。
ニューズウィークは、特に今は来年の北京冬季五輪を無事に終えたいし、来年秋の第20回党大会も控えている。したがって彭帥が「同意の上だ」ということと「監視などされておらず、全く自由だ」と言ってくれるなら、国際社会は非難しようがなくなるので、取材を受けることを許し、静かに時間が過ぎていくのを待つことにしたのだと解釈しています。
真相は分かりませんね。
【炎上】中国女子テニス彭帥選手告発は中国共産党のやらせ?
彭帥が張高麗・前副首相を不倫で告発!

2021年11月2日深夜中国のプロテニス選手・彭帥(ポン・シュアイ)選手は中国版ツイッター「ウェイボ」で前中国副首相の張高麗氏と不倫関係にあったと投稿しました。
「うまく言えないのは分かっている。言ってもしかたないことも。でもやはり言っておきたい//約3年前、張高麗副首相は退職し、天津テニスセンターの人を通じて、再び私に連絡してきた。北京でテニスを一緒にやろうと。午前中にテニスをしたあと、あなたと夫人は私を連れて、あなたの家に行った。その時、あなたは私を部屋に引き入れ、10数年前の天津の時と同様、私と性的な関係を結んだ。//あの日の午後、私はとても怖かった。あんなふうになるとは思ってもみなかった。//7年前に私たちは、性的関係を持った。その後、あなたは政治局常務委員に昇進して北京へ行き、私との連絡を絶った。私はすべてを心の中にしまった。あなたは責任を取ろうとしなかったのに、なぜ、再び連絡してきたのか。そしてなぜ私を家に連れて行き、関係を迫ってきたのか?//あの日の午後、私は全く同意していなかった。それでずっと泣いていた。//私は、たとえようもないほど惨めな存在だ。私は常々、「自分は人間だろうか」と自問していた。まるで自分が歩く屍のようだとも感じていた。//地位の高い張高麗副首相は、恐れてはいないとおっしゃった。でも私は、たとえ石にぶち当たる卵となっても、火に飛び入る蛾となり自滅しても、あなたとの間にあった事実を明らかにする」
引用:NHK
張高麗前副首相は2012年から17年まで共産党の最高指導部、政治局常務委員会のメンバーで、メンバーの詳細な動静や内部での発言などは極秘扱いでした。
そのため、 彭帥選手が圧力が掛かることが明らかにもかかわらず、3年~7年前の不倫を告発したことに対して疑問視する声もあります。
11月29日NEWSポストセブンは習近平国家主席 の「計算通り」かというタイトルで報道しています。
中国共産党 習近平国家主席 のやらせ?といわれる理由を紹介します。
理由①30分も投稿が削除されなかった
彭帥選手の投稿は30分で削除されたのは不都合な事実だからだという声がありますが、中国問題に詳しい評論家の石平氏は、むしろ投稿が30分もネット上に存在したことから、中国当局が意図的に情報を拡散させたと指摘しています。
本当に不都合な情報なら、中国当局のネット検閲能力からすれば1分と経たずにすぐに削除され、跡形もなく消去されるそうです。
すごいですね。
理由②投稿されたのが共産党重要会議の直前
彭帥選手にセクハラした張高麗前副首相は、江沢民元国家主席と関係が深い人物で、現在トップの習近平国家主席からすると敵対する派閥“上海閥”です。
彭帥 選手がセクハラ告発の投稿をしたのは、共産党の重要会議「6中全会」の直前だったため、習主席の敵対勢力への威嚇と関係しているのではないかという見方もあります。
習近平の地位固めて、“終身統治”へとつなげる『歴史決議』が採択される重要な政治イベントだったそうです。
立派閥の 張高麗前副首相のセクハラ記事を意図的に拡散し、邪魔するなと警告を発したのではないかといわれています。
理由③中国国営メディアが出す証拠品が怪しい!
14日にはWTA女子テニス協会のスティーブ・サイモンCEOが「元中国指導者による性的虐待に対し行った彼女の告発を、最も深刻に扱わなければならない。彼女の訴えは調査される必要があり、見逃したり無視すべきではない」と声明を発表し、選手の安否が世界中で広がり、北京五輪の外交的ボイコットにまで発展しました。
中国国内では彭帥に関する報道はされておらず、「彭帥」で検索しても表示されない隠蔽が行われました。
中国外務省の報道官は状況を把握していないので外交問題ではないとはじめは知らん顔をしていましたが、炎上がとまらず国営メディアの記者や編集者を通じて本人のメールや写真、動画などを紹介して、彭帥選手の無事を主張しました。
しかし、本人の証拠品が怪しいと炎上。
11月21日には、五輪を無事開催したいIOCのバッハ会長も登場し火消しに協力しました。
【炎上】彭帥選手が現在安全という報道はデマ?
根拠なし!ニューヨークタイムズは身の安全が確認されたと報道
「ニューヨークタイムズ」紙は彭帥選手の身の安全が確認されたと報道しました。
WTA女子テニス協会のスティーブ・サイモンCEOが『中国テニス協会を含むいくつかの情報源から、彼女は安全であり身体的な脅威にさらされていないという確認を受けた』と語ったそうです。
しかし、WTAの関係者や選手で彭帥と直接連絡を取れた人はいませんでした。
どこかで監禁されているということでしょうか?
スクショメールに不自然なカーソル!重要なメッセージがある?
中国共産党の国営テレビ局中国中央電視台(CCTV)傘下の中国グローバルテレビジョンネットワーク(CGTN) は彭帥がWTA女子テニス協会 シモン会長に対して性的暴行は事実ではない、中国のテニスに貢献したいと謝罪したと報道し、彭帥選手が自筆で送ったメールのスクリーンショットを公表しました。
しかしよく見ると、不自然なカーソルがありますよね。
なぜ送付済のものをコピーせず、編集中のものをコピーしたのかと疑問視されています。

アメリカのCNNは、スクリーンショットのカーソルの位置が不自然で捏造の可能性もあると疑っていました。
しかも、あて先はemailの宛先はWTAのシモン会長はずですが、冒頭には「Hi, Steve」「Mr. Simon」ではなく、「Hello everyone」と、大衆向きに書かれています。
さらに、emailの最後にはなぜ署名をしなかったのかなど、偽造が疑われる点が複数あるため、中国のスキャンダルが一気に全世界で報道されました。
Emailには、最も基本的なところにミスがあるため、このemailを公開した人は、このような方法で、何か重要なメッセージを伝えているのではないかと疑う人もいます。
近況写真が半そで!いつの画像?
11月19日、 中国国営テレビCGTNの編集者である沈詩偉氏が彭帥選手の最近の写真であると主張して写真を投稿しました。
中国テンセント社が運営し中国人を中心に世界12億人が利用するメッセンジャーアプリ「WeChat」に彭帥が、3枚の最新の写真を投稿し、「ハッピーウィークエンド」と言ったそうです。

しかし北京の11月は最高気温は10度以下、最低気温は0度以下のため、半袖や短パンの 彭帥選手の最近の画像ではないことが明らかです。
しかもこの画像は、彭帥本人が公開したものでなく、友人がスクリーンショットを共有したもので、信じる人はほとんどいませんでした。
【炎上】食事のビデオは芝居だった?
彭帥選手が食事をするビデオが投稿されましたが、以下のような怪しい点があり、通常の食事風景ではないことは明らかです。
- 日付を強調
- 入り口に武装警察
- 彭帥選手は声を一言も発していない
- 席順が変
- レストランウェイトレスとオーナーの証言は動画と異なる
中共メディア『環球時報』の錫進編集長は20日に、彭帥選手がコーチや友人とレストランで食事をしている様子を撮影した2本の動画を英語でツイートしました。
動画の中の男性は、北京のスポーツ会社で中国共産党書記をしている李暁斌氏と言われていて、会話の中でわざわざ11月20日という日付について言及しています。
しかし、2つ目に投稿された動画の日付はモザイクで消されています。
レストランの入り口の扉には消毒済みの張り紙に11月?日の表記が見られます。
別のスポーツ会社の社長である丁力氏が彭帥選手との食事の直前にレストランのドアに入る様子が映っていますが、動画冒頭のドアの中に立っている男性が、制服を着た武装警察官と判明したため、ネットでは、20日の夜に彭帥選手が会食する様子を撮影する前に、武装警察がレストランのほかの客を追い払ったのではないかいわれています。
このレストランは人気で通常2~3時間の行列ができるそうですが、20日夜は行列がなかったそうです。

NPR記者・馮哲雲氏は、個人のツイッターで、真相を確かめるために11月28日にレストランに行って食事をしながら聞いてみたところ、ウェイトレスは彭帥氏がこの2日間にここに来たことがあるかどうかは確認することできななかったそうです。
- レストランには胡錫進が掲載した動画に出てきたような個室がない
- オーナーは、麺類とタケノコが書かれた請求書を見せながら、あまり料理を注文していなかったので、ほとんど会話しかしなかったという文章を発表
胡錫進氏が掲載した動画は偽造の可能性がありそうですね。
北京人はレストランでの席順にこだわりがあり、社会的地位や年齢の高い順に座るのが一般的ですが、彭帥選手の会食の席順が不条理で普通の会食ではないと指摘しています。
党委員会書記、スポーツ会社の社長が最も高い地位の人で、3人で一緒に座るべきですが、党書記と彭帥選手の間には、明らかに地位や年齢が低い女性が座っています。
明らかにおかしい席順や、日付のモザイクから、動画は証拠提出のために撮影された芝居といわれています。
テニスのイベントに参加したビデオを発表

11月21日の朝、胡錫進氏はツイッターで、北京で行われたティーンエイジャーテニスの決勝戦の開会式に 彭帥選手が現れたという動画を公開しました。
「 彭帥 選手はプレッシャーの下で良い笑顔つくれますか?」と政府の監視下に置かれていないことを強調しています。
しかし、彭帥さんが本当に安全で自由であるならば、なぜ彭帥選手自身が直接海外のメディアに登場しないのかと疑問を投げかける人も多くいます。
バッハがテレビ電話をしたという報告でさらに批判が広がる

11月21日、国際オリンピック委員会(IOC)が、トーマス・バッハ会長と彭帥選手は約30分間のテレビ電話をしたと発表しましたが、IOCが中国の人権問題に加担したとさらに炎上が広がる事態となりました。
- 彭帥選手は北京の自宅で安全に元気で生活している
- プライバシーを尊重して欲しい
- バッハ会長は北京五輪で食事を一緒にする約束
と報道されましたが、肉声や動画が公表されませんでした。
- バッハ会長が画面に映る彭帥選手と話している静止画のみ
- 肉声はなし
- 英会話は十分にできるはずの彭帥選手になぜ通訳が必要だったのか?
- 通訳がバッハ会長に伝えた言葉は本当に彭帥さんの本心だったのか?
と 彭帥選手の安否に対して謎が深まる結果となりました。
中国のIOC委員である李玲薇(り・れいび)氏が同行していたため、中共が監視役を派遣したのではないかと疑われています。
IOCは中国から大量な資金を寄付してもらっていてバッハ会長と中国との関係は普通ではないため、電話会談は、双方が協力し合った茶番劇の可能性が高いといわれています。
バッハ会長は 彭帥選手の命が保障されるように守ったという意見もありますが、本人の動画がないと信じられませんよね。
プーさんとパンダはダイイングメッセージ?

プーさんは中国で中国共産党総書記の習近平氏の批判とされNG
くまのプーさんとパンダが写真に写っているのは現在、中国共産党の党幹部と国保警察の管理下にあることを外部に示唆しているのではといわれています。
中国のSNSで「くまのプーさん」に触れるとすぐに削除されてしまいます。
実写版の映画くまのプーさんも中国では公開されていません。

2013年、習主席が当時のバラク・オバマ米大統領と歩く画像が、プーさんとティガー(作品に登場するトラ)と並び歩く画像と一緒に投稿されたのを皮切りに習近平氏を批判する時にプーさんが使われるようになりました。
それ以来、中国で「プーさん」の映像や写真が投稿された瞬間、SNSの運営会社はただちに削除しなければならないという決まりがあります。
そのため中国国内では、いくら検索をかけてもネット上で「プーさん」を見ることができないそうです。
やはり、習主席が関係しているようですね。
彭帥さんと話している人は、まさにスポーツ会社の党書記だったとも言われています。
パンダは公安警察の隠語
中国語でパンダは中国の国宝として知られており、中国語の「国宝」は「国保」と同音で、中国では「国保」は中国共産党政権の公安部の国内安全保衛局(2020年に公安部の政治安全保衛局に改称)を指し同じ発音で公安警察を意味するそうです。
そのため、国家権力によって自分は何も発信できないというメッセージが隠されているといわれています。
そのため 彭帥 選手が死亡とか殺されたという噂まで出ています。
中国事情に詳しいジャーナリスト、もがき三太郎氏は、 彭帥選手は消すには有名になりすぎているので消されることはないと話していますが、中国政府は彭帥選手が海外に亡命して、好き勝手に話されることを恐れているので、厳しい監視下に置かれているのは間違いないと語っています。
彭帥の肖像画が消されている!

中国国立テニスセンターのチャンピオンの壁に、彭帥選手の肖像画があったそうですが現在取り外されています。
中国共産党が彭帥選手を消し去ろうとしているのではないかと疑いたくなりますね。
真相が明らかになることを願いたいですね。
北京オリンピックの開催がクリーンに行われることはあるのでしょうか?